ibasso DX200 音質篇
iBasso Audioは中国のオーディオ・メーカーで、2006年に設立されたそうです。
その昔、DAPといえばiPod classicという時代に、少しでもいい音を楽しみたいという人に比較的安価にマニアックなヘッドフォンアンプを提供し、新製品が出る度に(一部では)話題になったものです。当時はあまり対応する機種は無かったにも関わらず、光入力が可能だったり、デュアルDACや交換用のオペアンプを同封したヘッドフォンアンプなど、時代を先取りした?魅力的な商品をスピーディーに展開していました。自分もかなりの数の同社の製品を購入し、パワフルな音を楽しませていただきました。
一方で、DACはいいけどアンプがいまいち、などと帯に短し襷に長し的な商品も見受けられました。それもあってか、人気メーカーのRay Samuels AudioやQablesに比べると二番手という感じでした。また商品名にAnacondaやBoaなどと蛇の名前を付けているのは謎でした。
ibasso DX80とのツーショット。
ibasso DB2 boomslang2。USB、COAXIAL、OPTICALで受けて、バランスアウトするポータブルバランスDACというニッチな商品。2012年の発売で、当時はXperia Z+DB2+RSA the Intruderでバランス接続で遊んでました。
ibasso D5 HJ。2011年にヒビノインターサウンドから発売されたUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ。あんまり印象が残っていない…
その後、ibassoはDAPのDX100を発売しました。DACに据え置き機に使われていたESS9018を、オペアンプには今も評価の高いOPA627を使い、音質的にはかなり評価も高く、その後、日本では2012年に代理店となったヒビノインターサウンドを通じて、HDP-R10として発売されました。
ソフト的にはいろいろと問題もあったHDP-R10ですが、今もお使いになる方がおられるぐらい音質的には評価も高く、ibassoの面目躍如といったところでしょうか。
HDP-R10に続き、より小型化、使いやすさを求めたDX90、DX80と、DX100とはやや違うパターンの商品を展開してきましたが、ここに至ってDX100に続く、先進的な技術を詰め込んだDAPとして昨年末に発売されたのがDX200です。前フリが長くてごめんなさい。
形状やスペックは以前のエントリーに書かせていただいたので、そちらをごらにただければありがたいです。
発売後、数度のアップデートを経て、タッチパネルの使用感等ずいぶんと使いやすくなったように思います。よくアップデートで音質が変ったという話を聞くことがありますが、個人的にはそこまで感じることはありませんでした。ただ、Androidを起動しない、Pure Musicモード?と思われるMango Playerではまだまだタッチパネルの操作感がいまいちなように思います。
音質は基本的にはAndroid上で動くMango Playerでの評価となります。あまりMango OSモードとの違いは無いように感じますので。イヤホンはUnique Melody MAVIS Ⅱ、同 MERLIN V2、HEIR AUDIO Heir 5.0Aを使いました。試聴曲はほぼいつもの通り、下記の通りです。
・I.G.Y./Donald Fagan(16bit/44.1kHz)
・十戒(1984) 30th anniversary mix/中森明菜(24bit/96.0kHz)
・金田 KANEDA Symphonnic Suite AKIRA 2016/芸能山城組(24bit/192.0kHz)
・April Rain/Delain(16bit/44.1kHz)
第一印象はパワフル、明瞭感、音の拡がりが優れているように感じます。
“I.G.Y.”ではきれいな高域にしっかりした締まった低音がボーカルを邪魔せずにそれぞれが存在感がある感じで、きつくなく、音に包まれているようです。
“十戒…”では中森明菜のボーカルが伴奏と混濁することなく、やや近くで聴こえます。ボーカルが埋もれることなく、女性ボーカルを聴いているという感じです。
“金田…”では複雑な構成、様々な楽器の音が聞き分けられる感じです。最後の余韻がすーっと消えていくのまでが気持ちいい。
“April Rain”は女性ボーカルと相まって高域が目立つ、いわゆるキラキラメタルですが、所々に芯の通ったバスドラムの音が曲全体を締め、スピード感のあるノリの良さに花を添えます。
なんかべた褒め&気持ち悪いポエムっぽくなってしまいましたが、“強く叩けば強くなり、弱く叩けば弱くなる”ではありませんが、どんな曲にも合わせるというか、その曲の良さを引き出す融通無碍なDAPだと思います。
また、2.5mmバランス接続に対応していますが、音の広がりや低音の質が向上するとは思いますが、びっくりするほど変わることが無いように思います。これはメリットでもあり、デメリットでもりますね。ラインアウトは数回試し、質の良さは感じられましたが、ちょっとアンプを重ねるのは本体の大きさ、重さから想定外かなと思っています。DX200はFiio X7と同様に、アンプを交換できるようになっていますので、単体使用が基本だと思います。でも現状でこの音質なのに、どんなアンプが登場するのか、今からワクワクしますね。
あと、コアキシャル接続は当方に環境が揃っていないため試せていません。ごめんなさい。
ということで長々と?書いてきましたが、最後に一言。
敢えて言いましょう、ibasso DX200は最強!(現時点ではね)