NICEHCK NX7
NICEHCK NX7は4BA+2DD+セラミックドライバーのハイブリッドイヤホンでありながら、Amazonでの価格が8,590円と信じられない低価格のイヤホンです。
販売時にHCKの中の人の煽りツイートが問題になったのか、アカウントが凍結されるというオマケもありましたが、そこまで煽らなくてもこの構成でこの価格なら面白いものを常に探している中華イヤホン好きなら飛びつくと思うんですけどね。
パッケージ。いつものHCKの箱です。最近の到着ツイートを見ると専用のちゃんとした?パッケージに変わっているようです。
附属品はいつものHCKのイヤホンケースとイヤーピースが二種とケーブルというシンプルな感じです。附属のケーブルは安価な中華イヤホンによくある感じのケーブルで、価格を抑えるために仕方がないかと思いますが、HCKとしてもケーブル交換を勧めていますので、もういっそのことケーブル無しでもいいんじゃね?と思わなくもありません。
筐体はドライバー数が信じられないくらい小さいです。カラーはブルーとブラックが選べるのですが、こちらはブルーになります。KZあたりとよく似た形状で、個人的にはあまり装着感が好きではない感じです。前作?のF3が1BA+1DD+セラミックドライバーとはるかにドライバー数が少ないにもかかわらずそれなりの大きさだったことを思えば驚くほど小型です。ただ、装着感は個人的にF3の方が良かったです。
DAPはiBasso DX220(AMP1MKⅡ)を使用。附属のケーブル、イヤーピースで聴いたところ、到着直後ということもあり、明瞭感は高いものの低域がスカスカな感じで、2DDが仕事をしていない感じ。とりあえず50時間程度You Tubeのピンクノイズや通常の曲によりエージングを行いました。またケーブル、イヤーピースも交換しています。ケーブルは当初はHiFiHearのHiF4814(金銅合金らしい)を使っていましたが、このケーブルも高域寄りなためかあまり相性が良いと感じなかったので、手持ちのケーブルで比較的重心が低いNull Audio Lune MKⅤを使っています。
イヤーピースはATE08がやはり低域を強化する感じで好みでしたが、こちらのイヤーピースだと耳の奥に入れる感じとなり、筐体が耳に当たって不快感があるのでATE07に交換し、耳孔に蓋をする感じで使用しています。
音質は全域に渡って過不足なく音が出ている感じで、多くのドライバーを使っていることによる音の繋がりの悪さは感じられません。低域も特別に目立ちはしませんがしっかりと下支えしている感じで、苦手とするジャンルもあまりないオールマイティーに使えるイヤホンだと思います。当初は平面的に感じましたが、低域がそれなりに出てきてからはさほど気にもならなくなりました。音場がさほど広く感じられないことと艶みたいなものを感じるのはさすがに無理かなと思わなくもありません。
セラミックドライバーになんかロマンを感じるのか、これまでもHYLA CE-5、SENFER DT6、HCK F3と購入してきましたが、いずれも高域特化型で曲を選ぶ感じがありました。NX7も正直なところもっと高域と低域が暴れるような変わりダネを期待してのですが、驚くほどまっとうな音を聴かせてくれるので困ります。できれば次回はもっとぶっ飛んだ(音の)イヤホンを期待したいところです。
TFZ SERIES 7
TFZ SIRIES 7は4BA+1DDのハイブリッドイヤホンで、現時点でTFZでは最も価格の高いイヤホンです。AliExpressのTFZのショップでは定価?448.75ドル、販売価格は20%引きで359ドルです。今回はMassdropにて入手したのですが、送料込みで284.18ドルでした。
www.aliexpress.com
TFZはいろいろと購入したもののあまり使い続けられなかったのですが、前回に購入したNO.3 Tiをかなり気に入り愛用しているため、SERIES 7も買ってみた次第です。
スペックは下記の通り。
ドライバーユニット Double Magnet Circuit Coil
TWFK30017-P183×2
SWFK31736-000×2
インピーダンス 17Ω
感度 109db
再生周波数帯域 5Hz~40000Hz
パッケージはいつものとは違い、ほぼ正方形です。附属品もイヤホンケースがいつもの袋状のとは違います。附属のケーブルはNO.3 Tiと同じ感じに見えます。
本体のデザインは正直なところあまり好みではありません。サイズはドライバー数的にそれなりに大きいですが、装着感が特に悪いとは感じません。
附属のケーブルは銀メッキ線で決して悪いものではありませんが、個人的に装着感が苦手なこともあって早々にリケーブルしてしまいました。使用したDAPはAK70 MKⅡ、iBasso DX220です。
AK70 MKⅡではYYX4750の相性が良かったです。量と質のバランスが良い低音がかなり好みです。解像感もあり、中・高域もしっかりと出てはいますが、やはり低域がこのイヤホンの一番の特徴だと思います。音の広がりはそこそこで、ボーカルは自然な感じで特に近くはありません。室内で聴く際は少々低音が強すぎるように感じますが、外出時にはちょうどいい感じに思います。まぁ低音が強いイヤホンが苦手な方にはそれでも少々きついかもしれませんが。
iBasso DX220
前機種であるiBasso DX200は2017年の1月に入手しました。まだ本国で販売されて間もない頃に、知人を通じて中国から直接に購入したため、拙ブログ唯一の人気記事でした。国内では昨年にMUSIN株式会社がiBassoの正式代理店となり、秋頃に販売が始まりました。後継機であるDX220は先月に販売が開始されました。この間にDAPをめぐる状況も大きく変わり、約10万円というDX220は他社の製品と比較するとミドルクラスに位置する感じです。
DX220については特に買う予定はありませんでしたが、eイヤホンの中古の日に出品されているのを見つけてしまい、深夜の謎のテンションで購入してしまいました。DX200と比べて大きく音質的に変化があるようでは無いのですが、デザインがシンプルで好みだったのと、UI、画面解像度が向上したということが(一応)購入を決めた理由です。
スペック等は下記の日本公式代理店のページをご覧ください。
パッケージのデザインは色違いという感じです。レインボー?
DX200のパッケージは黒を貴重にしておりシックです。
附属品等もほぼ同じ感じです。ケースが以前のグレーに比べてややお洒落な感じに。
筐体デザインはDX200のボリュームガード的なパーツも無くなり、すっきりしました。ボタン類の配置はDX200と同じです。初期装備されているAMPはAMP1 MKⅡです。
DX200でもアートワークはかなりきれいでした。MangoPlayerもデザインの一部が変更されています。
アートワークが無いファイルを再生した際の画面表示。サイケというかちょっと不気味。
DX200ではこんな感じでした。
UIはいろいろと変わったというか、かなりスマホっぽい感じになったように思います。最も大きな変化はゲインが二段階から三段階になりました。公式ページによるとLowが追加されたようです。
DX200の設定画面。220とは違い、この画面から直接に変更はできません。
音楽ファイル選択画面。
DX200では中華DAPっぽいですね。
ボリュームを変更した時の画面。
DX200ではこんな感じでした。
ゲームも動画もサクサク動くそうですが、Mango Playerの起動にはワンテンポ空くような気がします。またBluetooth機能が充実しているそうですが、試せていません。
音質的には少しうろ覚えですが、DX200と比較するとより解像感が高くなったように感じます。もう少し手持ちのイヤホンでいろいろと試していきたいと思います。
smabat ST-10
smabat ST-10は15.4mmと比較的口径の大きいチタン製ドライバーを使用したインナーイヤー型のイヤホンです。インナーイヤー型のイヤホンは以前にROSE MojitoやHCK EBXなど購入してみましたが、音質はいずれも気に入ってはいたのですが装着感がしっくりこないため長く使用することができませんでした。このイヤホンはインナーイヤー型にしては珍しく耳掛け式となっているため、うまく装着できるのではと期待して購入してみました。インナーイヤー型は外出時には使いづらいですが、カナル型とは違う良さがありますのでお気に入りを一つは持っておきたいもので。
購入はAmazonのNICEHCKのストアから。価格は11,500円です。AliExpressではこれを書いている時点ではセール中のため81.84ドルですが、通常価格は132ドルとなっています。入手できるまでにかかる日数や保証等を考えるとAmazonで購入するほうが良いように思います。
Amazonのリンクがうまく貼れないので後日に修正する予定です。下記はAliExpressのリンクとなります。
www.aliexpress.com
パッケージ。
附属品。
ショップのページの画像では筐体がグリーンに見えますが、実物はもう少しグレーっぽい感じです。
装着感は予想通り耳掛け式なため、インナーイヤー型のちゃんと装着できているかどうかの不安があまりありません。少々頭を振ってもずれることなく安定しています。イヤホンを安定させるためにイヤーチップを使用する必要もありません。快適です。筐体が金属製なので季節によってはひんやりしますが。
いつもどおりAK70 MKⅡを使って聴いていきます。附属品のケーブルを使用するため3.5mmアンバランス接続になります。
すっきりとしていてインナーイヤー型ならではの開放的な音質です。高域寄りだとは思いますが低域もしっかりと聴こえますが膨らまず締まっており目立つことはありません。人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
金属製の筐体ということもあってか音質は硬めなので曲によっては合う合わないはあるかと思いますが、特にスピード感のあるキレが要求される曲にはぴったりかと。ボーカルは自然な距離だと思いますが、耳元で聴こえないとという方には少々不満が出るかもしれません。
ケーブルが着脱式なので手元にあるMMCX対応のケーブルでリケーブルしてみました。使用したのはKinboofi KBF4725という8芯銀メッキケーブルです。プラグは2.5mmバランス接続用です。ケーブルのためかバランス接続のためかはわかりませんが、全体的に派手になって音も近くで聴こえるように感じます。やや粗さも感じてしまいますのでこのあたりは好き嫌いだと思います。
続いて試したのはYinyoo YYX4744。こちらもプラグは2.5mmです。高域も伸びますが低域がよりしっかりと聴こえます。個人的に好きな音です。
さらにいろいろと試してみたいと思います。
SIMGOT EM2
以前にEM700、EM700Proを発売し、好評を得ていたSIMGOTから近々国内での発売が予定されている1BA+1DDのイヤホンです。このシリーズは1DDのEM1から1DD+4BAのEM5までのシリーズとなっており、EM3、EM5はMUSICTECKのサイトやTwitterで見かけたことはあったのですが、国内で販売されたという話は聞かず、EM700シリーズが好評だっただけに残念に思っていたところ、再び国内での展開が開始される模様です。先日に開催された春のヘッドホン祭でもブースを展開されたとのことで、今後の商品展開を楽しみにしたいと思っています。今回はSIMGOT JAPAN様から試供品として提供いただいてのレビューとなります。価格は米Amazonで115.99ドルで販売されていますので、国内の販売価格も1万円代半ばぐらいかなぁと思っています。
以前のSIMGOTのイヤホンのレビューはこちら。
公式サイトはこちら。
パッケージ。
附属品。ケースはEN700Proに附属していたものと同じようです。また、イヤーピースが解像度重視と低域重視の二種類(公式サイトでは高通過と均衡型と呼ばれています)附属しているのも同様です。
筐体は樹脂製で5種類のバリエーションが用意されているようです。こちらはシンプルな透明Transparentになります。EM700及びEN700Proほどではありませんが、特徴的なデザインだと思います。
ケーブルの端子は2pinタイプなのですが、qdcや他の中華イヤホンで最近になってよく見る端子部が突き出ているタイプです。こちらのタイプの方がイヤホンとの固定に有利なのかもしれませんが、まだ対応したケーブルが少ないように思います。従来の2pinのケーブルも使用できますが、ちょっと不安定に感じるため、毎度お馴染みのPioneerのコネクターシールドを使う方が安心かも。
また、附属のケーブルは耳掛け部の反発が少し強く、装着し辛いこともありました。慣れると大丈夫だと思いますが。
EM2は前述した通り1DD+1BAのハイブリッドイヤホンですが、低域をDD、高域がBAというわけではなく、両者を調整して一体化したと公式サイトでは書かれています。まずは附属のケーブルに高域重視型のイヤピースで聴いてみます。DAPはAK70 MKⅡです。
すっきりと見晴らしの良い感じの音、というのが第一印象です。ボーカルも遠からず近からず、分離感や解像感が特別に高いとは感じませんが、EN700Proと同様に心地よく音楽を楽しめるイヤホンだと思います。
低域重視型のイヤーピースに交換すると、楽曲全体の重心が低くなったように感じます。こちらも特別に深い低音が出ているわけではありませんが、楽しくノリよく曲を聴くことができます。
YinyooのYYX4750でリケーブルしたところ、耳掛け部の反発はさほどでないため装着感は良かったのですが,かなり濃厚な音質となり、EM2の良さが相殺されたように感じました。これはこれで悪くはないのですが。
いろいろと書いてきましたが、SIMGOTのイヤホンはある意味、レビューを書くのが難しいのかなぁと思っています。とりあえず近々販売がスタートするらしいので、機会があれば試聴いただければこのイヤホンの楽しさが伝わるかなと思っています。
【2019.05.15 追記】
本日よりSIMGOT JAPANによりAmazonで販売が始まったようです。価格は予想よりお安く12,800円でした。
YINYOO TOPAZ
Twitterでも活発に情報発信を行っているEasy Earphonesのブランド、YINYOOのハイブリッドイヤホンです。以前なら4BA+1DDならスゲーとなったのですが、KZなどのおかげ?で最近はあまり驚かなくなってしまいました。
購入は3.28のシークレットセールみたいな感じだったので98ドルでした。現在はAliExpressでは138ドルにて販売されています。また、12ドルでアップグレードケーブル?も販売されている模様。Amazonでは16,998円となっていますがこれを書いている時点でも4,000円オフとかなので、お安い時にAmazonで購入するほうがいいかもしれません。購入は3月28日、4月1日に発送され到着は12日でした。チャイナポストではまぁ普通かちょっと早い感じでしょうか。
パッケージ。以前のYINYOO V2とかよりは大きな箱です。
附属品はイヤホンケース、ケーブル、イヤーピース数種類とクリップです。
二種類のカラーのうち到着したのはグレイの方です。金属筐体ですがアルミ製ということで非常に軽量です。
TFZもこちらのイヤホンも最近のKZもすっかりケーブル装着部がqdcタイプが増えてきたように思います。従来のケーブルが使えなくなるわけではありませんが、ちょっと不安感があるのでPioneerのコネクタシールドあたりを使う方がいいかもしれません。
附属のケーブルで聴いてみます。附属のイヤーピースではしっかりと装着できていなかったのか低域が感じられませんでしたが、愛用しているSpinFitに交換するとしっかりと低域が感じられました。中低域寄りのイヤホンだと思います。
Yinyoo YYX4750に交換してみたところ、解像感は維持しつつ音に厚みが出て、また高域も不足の無い感じで万能感の高いイヤホンになったように感じます。
【2019.05.09 加筆】
Amazonで販売されているTopazアップグレードケーブルを入手しました。
標準のケーブルに比較すれば見た感じも取り回しもいい感じです。
音質的には低域が締まり高域が伸びる感じです。音場もやや広がったようですが、個人的には標準のケーブルの方が好みだったりします。
TANCHJIM Oxygen
タンジジム オキシジェンです。12月のポタフェスで七福神商事さんのブースで試聴機が用意され、多くの方が称賛されていたこともあり、発売時は一時は品切れになっていたイヤホンです。なぜか私はポタフェスの時は試聴しておらず、今回は未試聴のまま購入しました。
Penon Audioでも取扱がありますが、今回は七福神商事から購入しました。また合わせて専用アップグレードケーブルも注文してみました。TFZ NO.3 Tiのアップグレードケーブルが非常に良かったため、他社のケーブルを合わすより用意されているものを合わせる方がいいのかと思って。
パッケージ。
附属品はイヤーピース、ケーブル二種(一つはリモコン付き)等です。また謎のバッジのようなものもあります。
イヤホン本体はステンレス製ということで適度な重みがあります。装着感に影響があるほどでは無いかと思います。
まずは附属のケーブル、イヤーピースで聴いてみます。使用するDAPはAK70 MKⅡです。
非常にすっきりとした中高域寄りというのが第一印象です。また、以前にレビューしたTFZ NO.3 Tiと比べるためか、ボーカルが近く感じます。
アップグレードケーブルに早々に交換してみます。こちらは2.5mmバランス接続仕様を選択したので、単純に附属のケーブルと比較できないかもしれません。やや太めですが取り回しもよく、またイヤホン本体の色と揃って見た目もいい感じです。
ボーカルが近く中高域寄りという傾向はそのままで音に厚みが出たように感じます。個人的にはこの組み合わせで使っていきたいと思います。以前から使用しているNOMAD、NO.3 Tiともまた傾向が違うので使い分けも可能ではないでしょうか。