Fearless audio S8-FREEDOM

最近、ちょっと気になってる中華中価格8BAイヤホンの一つとしてヤフオクにて購入しました。

Fearless audioのイヤホンは国内は七福神商事の取り扱いとなり、こちらのイヤホンもオンラインショップで購入できるようです。デザインをいろいろとカスタマイズできるため、デザインや材質によっては納期が1ヵ月以上になる場合もあるようです。価格は54,980円(税込)ですので、8BAにしてはかなり安価だと思います。

公式及び七福神商事のホームページは下記になります。

www.fearlessaudio.com

www.tsh-corp.jp

スペックは下記の通りです。

  • 感度:113dB
  • 周波数特性:15Hz~20KHz
  • インピーダンス:15Ω
  • ドライバー構成:26dB 8BA(超低域 2BA 中低域 2BA 中高域 2BA 超高域 2BA)

BAドライバーはSONION、Knowlsを使用しているようです。

 

パッケージ。イヤホンとは思えない大きさ。
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ぱかっ。
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附属品です。イヤーピースと清掃用ブラシ、金属製のケースです。
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取説。
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ケース内には乾燥剤が。
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麗しい外観。
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前所有者が50時間エージング済みとのことです。Luxury & Precison L4+ALO CONTINENTAL V5に附属のケーブルで聴いています。イヤーピースは自分にとっての定番のRHAデュアル・デンシティシリコンイヤーピースのMサイズを使用。

明瞭感が高く、タイトな低域が印象的かなと思います。

先日からTONEKING T88K、Kinera ODINと8BAのイヤホンを聴いていますが、構成もスペックも違うのでもちろん音も違うのですが、どれも完成度が高く価格差程の優劣は無いかと思っています。

どのように使い分けるか悩みどころです。

Unique Melody 3DD-Ti

先日からダイナミックドライバーのイヤホンをいろいろと物色しているのですが、なかなかこれといった機種の巡りあえず、評判のDITA FidelityやFAudio Major、HIFIMAN RE2000、Victor HA-AW10000は音質は素晴らしいのでしょうがお値段も素晴らしいのでちょっと躊躇していたところ、MusicTechのBlack Fridayのセールのメールでこの3DD-Tiが値引きされているのを見て、これもダイナミックドライバー機だよねと思い注文してみました。定価は1,099ドルのところ799ドルだったのですが、送料が50ドルも取られるので849ドル、日本円で10万円足らずでした。

 

UM Universal 3DD-Tishop.musicteck.com

オーダーは11月23日で発送は25日、到着は12月1日でした。送料が50ドルの割にはUSPSで結構日にちがかかりました。

公式のホームページはこちら。

http://en.uniquemelody.org/detail_217.html

3DD-Tiは低、中、高域用のそれぞれ13mm、8mm、6mmダイナミックドライバーで構成されており、筐体に低域調整用のチューナーが付いているなど、他のUnique Melodyのイヤホンとはちょっと性格が違う感じです。

スペックは下記の通り。

パッケージ。
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ぱかっ。
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附属品。イヤホンケースがいつもの金属製のではなく、qdc Neptuneのと同じ感じのDignis製です。こっちの方が使い勝手はいいですね。
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色は赤を選択してたのですがちょっと派手だったかも。
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ケーブルは2.5mm4極と3.5mm3極を選択できたので2.5mmを選択しました。線はよく附属のケーブルで入っている黒いのよりは高品質な単線4芯OFCです。リケーブルしたいところですが、端子形状がqdc同様なのが困ったものです。ピンアサインも同じだったかしらん。
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Luxury & Precison L4+ALO CONTINENTAL V5+2.5mm-3.5mm変換ケーブルに附属のケーブルで聴いています。イヤーピースは自分にとっての定番のRHAデュアル・デンシティシリコンイヤーピースのMサイズを使用。

ダイナミックドライバーを使用しているのでしばらく鳴らしこむ方が良いかと思いますが、現状でも高域と低域はそこそこ出ている感じ。中域が弱いのと低域も深いところまでは出ていないかなと思います。Unique Melodyらしい多ドラ感をあまり感じさせない滑らかさと聴きやすさは十分あると思いますが、もう少し際立つ感じが欲しいですね。エージングに期待したいと思います。

 

 

Luxury & Precison L4

楽彼(Luxury & Precison)は中国のメーカーで、COLORFLY C4の設計者たちがたちあげたブランド、だそうです。COLORFLY C4は音は良いけど操作性と見た目が、という印象だったのですが、この新しいブランドの方でもややその傾向が見られるのは伝統というには困ったものです。

 

L4はLuxury & Precisonの最新機種になります。国内ではiBasso製品を中途半端に取り扱っているサイラスの取扱となっており、同社のダイレクトショップとFujiya Avicで販売されています。どちらにしても試聴できないのでお安いのでPenon Audioで購入しました。

オーダーは11月22日、発送が24日で到着は26日です。送料無料でDHLで発送いただけますので、ほとんど国内で購入するのと同じ感じで買物ができるのではと思っています。価格は699ドルです。

スペックはこんな感じです。

  • ディスプレイサイズ(解像度)/タッチパネル 3.5 inch (480×320)
  • DACチップ AKM AK4414
  • 周波数特性 20Hz~20kHz +/- 0.5dB
  • 再生周波数帯域 10Hz~40kHz
  • 定格出力(32Ω) Unbalance: 2v 125mW (32Ω)、Balance: 4v 360mW (32Ω)
  • 出力インピーダンス Unbalance: 2.2Ω Balance: 4.4Ω
  • S/N比 Unbalance: >-118dB Balance: >-119.5dB
  • 全高調波歪率+ノイズ <0.0016% (32Ω)
  • Line Out 出力 2Vrms
  • 内蔵メモリー 32GB(with OS)

パッケージ。
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パカッ
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附属品です。
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裏面です。
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上部。アンバランス出力、バランス出力、ラインアウト/コアキシャル出力(兼用)になります。

バランス出力は2.5 mm 4極 TRRS(先端からR- R+ / L+ L-)ということでAKやONKYOと同じです。
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右側。上からパワーオン/オフ、FWD、再生/停止、RWDのボタンです。
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下部。MicroSDXC&SDHCスロットとUSB(マイクロB)です。てっきりUSB Type-Cだと思っていたので残念です。
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左側。すっきり。
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SONY  ZX300と比較。あまり大きさ、重さともに違いがありません。L4の方がもっと大きいと思っていました。
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AK A&futura SE100と比較。
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附属品にケースが無いためか、おまけでケースを送っていただいたと思い、さすがPenon、気が利いているやんと思ったのですが、L3のケースだったようでサイズが微妙に合わず、途中までしか入らず、取り出すのにも苦労しました…
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起動時の画面は中国語です。言語選択では日本語は見当たりませんので、英語のまま使用しています。Fujiya Avicの試聴機では日本語表示されているそうなので、ファームウェアのバージョン違いのためか他の理由があるのか不明です。
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確認したところ、こちらがVer1.0.0.0に対し、公式ではVer1.0.0.2になっていたのでダウンロードしようと思ったのですが、Luxury & Precisonのホームページが中国語オンリーだったり、ダウンロード画面でソフトのインストールが必要だったりで諦めました。ちなみにサイラスのホームページ上ではまだL4のバージョンアップ情報は見当たりません。

 

基本ソフトがAndroid等ではなく独自ソフトということでMicro SDカードはFAT32でフォーマットする必要があるようです。最初にこちらで用意したデータを入れたSDカードを挿入し、メディアライブラリの更新をすると途中でシャットダウンしてしまい、保存した設定も初期化されるという事態に陥りました。いろいろと試してみたところ、ファイル名が長いデータが引っかかっていた様子。該当ファイルを削除してライブラリを更新して準備完了です。

ちなみに引っかかったファイルはこれをiTunesリッピングしたもの。確かにアーティスト名が長くなるわけです。

もうひとつうまくいかなかったのは、ハイレゾ音源のうち、24bit/96khzのALACの音源がちゃんと再生できなかったこと。スロー再生時の音声みたいになります。これはどうしようもないので、素直に購入先のOTOTOYからFLACファイルで再ダウンロードしました。

 

そんなこんなはありましたが、その後は特に問題なく使えています。見た目も真四角で愛想がない感じですが個人的には好みです。

画面はSE100とかに比べると小さいですが、カバーアートの表示もそれなりにきれいです。曲を次々とランダムで早送りするとSE100ではちゃんと反映されないことが多々ありましたが、そういうことはありません。
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ライブラリ画面はシンプルに文字だけの表示なので、最近のDAPに慣れておられる方には無愛想に思えるかも。
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音はクールでパワフルに尽きるかと。艶や色気なんて欠片もありません。音場はやや広く感じます。低域もしっかり出ていますが締まった感じで、そのために印象としては高域寄りな出音に感じます。

この辺りは使っていくうちに変化があるのかわかりませんが、また記事に書きたいと思います。

TFZ MY LOVE Ⅲ

TFZ MY LOVEは人気女性歌手とのコラボとして2016年夏に発売されました。SERIES 1Sのカラーバージョンだったのですが、Tシャツがセットになって50ドル足らずということもあってか、私のTL上だけかもしれませんが結構な盛り上がりだったように思います。MY LOVE Ⅱはそれから一年後の2017年夏に発売されました。価格は少し上がって私が購入した際は値引きがあって58ドルでした。このMy LOVE Ⅱは伊藤屋国際さんが扱ったことで国内でも普通に購入できたようです。eイヤホンでは今でも販売されているようです。

kiliko3611.hatenablog.com

この記事を書くに際して調べたら、HCK Earphonesではそれぞれ商品ページは残っていますが、購入ボタンが無いのでもう買うことはできなさそう。

www.aliexpress.com

www.aliexpress.com

TFZのイヤホンとはどうも相性が悪いのか、悪くは感じませんが愛用しようとも思わないという微妙な印象のものが多いので、最近のSECRET GARDENとかもスルーしていましたが、MY LOVE Ⅲは見た目にやられました。

 

購入はPenon Audioから。オーダーは11月23日で翌24日にDHLで発送、到着は26日です。価格は169ドルでした(この記事を書いている段階ではBlack Friday Saleで143.9ドルです)。

 

パッケージはいつものTFZと同じです。
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附属品もいつもと同じです。
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カラーは赤、青、黒、紫の四色がありますが、今回はイヤホンでは珍しく思った紫を選択。
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大きめのベントがあるので音漏れしやすいかな。
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箱出し直後はもやっとした感じに聞こえたので、SONY ZX300で普段に聴いている曲を鳴らし続けています。付属のイヤーピースが耳に合わない感じなのでAcoustune AET07を使用。50時間経過した現時点では、高域はそこそこで中高域から低域がメインな感じです。ボーカルも埋もれる感じはありませんが、中低域の量が多くてもやっとする感じが時々あって微妙な感じ。音場は広くはありません。

あと個人的には装着感が好みじゃない。ノズルが短くてしっかり固定できないためか不安で落ち着きません。

やっぱりTFZとは相性が良くないのかなぁ…

KINERA Odin

日本では安価なハイブリッド機のBd005SEだけが販売されていたKINERAですが、海外のセラーではH3(2BA+1DD)、SEED(1BA+1DD)、IDUN(2BA+1DD)と数種類の機種が販売されています。価格帯は50~150ドルなので、低価格からちょっとだけお高い感じの機種なので、大阪ポタフェスでOdinを試聴した時は、一気に上の価格帯に参入するのねと少々驚きました。イヤホンの価格がインフレ状態の昨今、10万円前後の価格帯はそれなりに激戦区なので、音質はともかくブランドイメージ的に難しいんじゃないかなぁと危惧していました。Odinは先日からeイヤホンにて販売が始まったようですが、受注販売という形なのはさもありなんというところでしょうか。

ポタフェスでの試聴時は、煌びやか高域と主張する低域という派手なドンシャリっぽい感じで、見た目やケーブルの造りは悪くないという感想を持ちました。ちょっと手持ちのイヤホンには無い感じだったため購入してみました。

スペックは下記の通りです。

  • ドライバー:4 way 8 Balanced Armature Driver(Low sonion 33AJ007i9×2、Mid sonion 33AJ007i9×2、Upper Middle knowls 29689×2、High knowls 31736×2)
  • インピーダンス:24Ω 
  • 音圧感度:116 ±1 dB
  • 再生周波数帯域:20-20000Hz

購入はAliExpressのEasy Earphonesから。注文は11月4日だったのですが新しいクレジットカードを使おうとして入力を間違い、それから認証されるまで数日を要したため支払は11月7日になりました。発送連絡は16日に来たのですがその後一度セラーのところに戻ったり紆余曲折があり、到着は24日でした。

www.aliexpress.com

パッケージ。一昔前の洋菓子の箱みたい。
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附属品はフォームタイプとシリコンタイプのイヤーピース、6.3mm変換プラグ、ノズルブラシ、ペリカンケースと一通り揃っています。イヤーピースはfinal Eのようです。
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ケーブルはeイヤホンの説明によると、“コーティングよりも厚く銅線に付着させる事で銀線と銅線の両方の特性を持つケーブル。8coreのうち4coreは6N OCCを使用。”だそうですが、eイヤホンのケーブルの画像と自分のそれを見比べると、線自体は同じだと思いますが、プラグや2pin端子、またスライダーの有無など違いがあります。
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また、ポタフェスで試聴した時とケーブルが違います。試聴時にこのケーブルが附属するかどうかわかりませんとのことでしたが、その通りだったようです。附属のケーブルも悪くないと思いますが(KineraのオフィシャルストアやPenon Audioでケーブルは79ドルで販売されています)試聴時のケーブルはもっとごつかった記憶があります。

 

購入時に筐体のカラーをRedとBlackから選べたため、Blackを選択しました。eイヤホンでは色は選べませんが、2pinかMMCXかを選べるようです。個人的にはMMCXが良かったなぁ。
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AliExpressのKineraのショップでは色も端子も選べないようです。Why?

www.aliexpress.com

イヤホン本体の見た感じは悪くないのですが2pin端子が左右ともスカスカです。見た感じ端子部が割れているようでもないのでちょっと原因がわかりません。抜き差しを繰り返すとそういうことになるかもしれませんが。まさかの中古品疑惑?うっかりケーブルを持ってイヤホンをぶら下げる感じになったり、耳にかける時などにポロっと外れそうです。他のケーブルに変えても同じだったのでイヤホン側の端子が原因のようです。

このあたりは中華クオリティだなぁと苦笑するしかありませんが、価格を考えると笑ってばかりもいられません。かといって交換となるとまたそれなりに日数がかかるので困ったものです。

 

気を取り直して聴いてみます。イヤーピース、ケーブルは附属品を使用。DAPはAK SE100とSONY ZX300です。

試聴時とは印象が違い、高域のキラキラ感が思ってたほどではないなという印象で、少し纏まった感じがします。少し地味になったのかも。このあたりはケーブルが変わったためか箱出し直後のためか。曲によってはボーカルが高域と低域にやや埋もれる感じがあります。音場は左右に広がる感じです。

もう少し聴き込んでから、他の機器との違いも含めて追記したいと思っています。

 

INAIR M360bt

イヤホンでもない、ヘッドホンでもない、もちろんスピーカーでもない、音楽を聴くための新しいイヤーデバイスという謳い文句で注目のイヤースピーカー、INAIR M360のレビューツアーに参加させていただきました。しかもいつものレビューツアーが、対象の品々が参加者から参加者へと郵送されるのとは違い、INAIRの企画開発・プロダクトデザインそして販売するアンドカラーの代表である佐川大介氏自らが、レビュー参加者と会って商品に対する思いを直接に聞かせていただけるという滅多に無い機会ということで、これは参加するしかないなと。でも考えたら、当方は関西しかも大阪と違って京都在住ということで、なかなか関東から来ていただくのは無理だろうから結局は郵送で商品をお借りする感じかと思っていました。ところが、佐川氏が所用で京都にお出でになるということで、先日、観光客で賑わう京都駅の近くのカフェで約2時間、INAIR M360に対する熱い思いを聞かせていただきました。残念ながら聞き手の私が技術的な知識が無いことに加え、あまり人とのコミュニケーションに長けていないため、佐川氏の思いの半分も理解できなかったかもしれませんが、その商品に対する思いも頭の端っこに置きながら、レビューさせていただきたいと思います。

 

佐川氏は他のINAIR M360のレビュー記事でも紹介されている通り、Western Electric製品の修理やメンテナンス等に携わり、その後様々なデジタルがジェットや音響製品の企画・開発に携わってこられてということです。

(余談ですが、一時流行ったiPodのドック兼用スピーカーにも佐川氏が企画された製品があり、その商品画像を見せていただいたところ、真空管アンプに10cmフルレンジスピーカーというマニアックな構成とメカニカルな外観は今でも人気が出そうな感じでした。)

やはりWestern Electricのモニター用スピーカーでの経験が佐川氏のオーディオへの想いの基本となっているようで、INAIR M360もスピーカーのように聴こえるイヤホンを開発したものではなく、スピーカーのように聴こえるイヤーデバイスを開発していたら今の形状になったということでした。

当初は通常のケーブルタイプの方のレビューを希望していたのですが、事前に商品の概略をWebで見ているうちに、これはBluetooth版の方が開発趣旨に沿った使い道ができるのではと思い、佐川氏に伝えると、快く変更していただきました。無理を言って申し訳ありません。

佐川氏にまずお話したのが、"INAIR M360"で検索したら上位に結果として見られるのが、INAIR M360は手を出さないほうがいいというページですが、という点でした。

佐川氏もこれを残念に思っておられ、それもあってか、こうして直接にこの機器の理念をお話し、装着方法についてもしっかりと伝えたいとのことのようです。

パッケージです。
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パッケージを開けた時にイヤーピース?が上を向いているのは初めてです。スピーカーは開封した時に上を向いているの同じです。これもイヤホンではなく、イヤースピーカーたる所以だそうです。

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附属品はスポンジ状のインエアーキャップ(通常のイヤホンではイヤーピースですがINAIR M360ではこう呼びます)、充電用のMicro USBケーブル、ケーブルクリップとあとは保証書と取説です。
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本体はぱっと見た感じでは通常のBluetoothイヤホンと大きく変わることはありません。ケーブル左側にリモコン(操作用パーツ)、右側にバッテリーが配置されています。左右シンメトリに重量バランスがとられています。充電用のMicro USB端子はよくあるプラスチックでカバーされていますが、使っているうちに取れてしまいそうな気がします。
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バッテリーは公称で連続再生5時間ということで、終日フルに使用するのは難しそう。個人的には家事をしている時に重宝するかなと思っています。

 

インエアーキャップはほぼ球形で、この機種の外観上の特徴かと思います。INAIR M360の外観を見て一番気になったのは、日本人では少数派ですが、他では多数派となる湿性の耳垢のことです。スポンジに耳垢が付着してしまい使えないのではと思ったのですが、後述する通りスポンジを耳奥に入れる装着方法ではないため、大丈夫なようです。それでも耳垢のタイプに関わらず、スポンジは定期的に洗浄する方がいいですね。
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インエアーキャップを外すと現れるのがエアーチューブ。ドライバー部を覆い、チューブ内で音を反響させ、全方向に拡散する役割を担っています。佐川氏は比喩として、通常のイヤホンはシャワー、INAIR M360はミストシャワーと表現されていました。
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エアーチューブを外すと本体になります。ぱっと見た感じは通常のイヤホンとはあまり変わりませんが、最も違うのは先端部にドライバーが設置されていること。ということで音導管に該当するものはありません。反対に筐体の後部、ドライバーから後ろは空洞で、ここも音を反響させる役割を担っているようです。
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INAIR M360を使う際に最も気をつけるのが装着方法。通常のイヤホンのようにスポンジ部を耳に入れたのでは開発者の意図する音を聴くことはできません。筐体全体を耳のくぼみに入れるように装着します。このあたりはなかなか言葉では伝わり難いと思いますので、下記の公式動画を参照いただきますようお願いいたします。慣れればぱっと装着できるとのことですが、最初は片手だけで耳たぶ付近を引っ張って装着してというのが手間取りました。今は少しは慣れたかなと思いますので、しばらくはベストポジションを見つけるためにいろいろ試す必要があるかと思います。

イヤホンによりますがイヤーピースとケーブルで耳に固定するタイプと違い、筐体も小さなこともあって、耳への負担は比較的小さいかと思います。

しっかりとぴったりとフィットさせる事で、30分~1時間程度するとふとした瞬間、ほとんど装着している感覚が無くなり、INAIRの最大の特徴である音響空間ごと持ち運んでいる感覚に近づけることを意図しているとのことです。ガサゴソ常に安定せず動いている状態だと、そういう不思議体験はなかなか訪れないとのことです。

www.youtube.com

ケーブルも頬や他に触れないようにしてケーブルの存在を意識しないようにします。そうすることによりINAIR M360の存在を意識せず、音楽を楽しむことを目指していただきたいとのこと。

 

前振りが長くなりましたが、実際に曲を聴いていきます。

接続した機器はWalkman ZX300、AK 100SEと今回は普段使いしているスマホ、Pocophone F1となります。いずれも設定から簡単に接続することができました。

 

問題の低音ですが、スマホだと音量を上げると高域ばかりが目立つ感じがしますが、音量を絞り気味にすると自然な感じになります。また、SE100とZX300では低音が強いとは言えませんが足りなくはないと思います。この辺りは接続するDAPにより相性があるのかもしれません。

また音が硬いという点は確かに硬いです。このあたりは使っているうちにもう少し柔らかさが感じられる方が製品の目指す方向に合うのかもしれませんが、当方は硬い音が好物なので今のままでいいかなと思っています。

 

INAIR M360と相性が良い曲を選ぶと、不思議な音楽体験が得られます。ケーブルが身体に触れないようにしてしばらく聴いていると耳の筐体もあまり意識しなくなります。その状態だと耳の周囲に音楽が拡がっている、纏わる感じです。通常のスピーカーだと当然のことながら、顔の向きを変えると音源は変わらないので聴こえ方が変化しますが、INAIRでは音源が一緒に動くので音も自分と一緒に移動します。確かにイヤホンでもスピーカーでもない、新しい音楽体験と言えるのかな。

ただ、全ての曲でそのように聴こえるかというとそうでもないのが悩ましいところ。どういう曲が合っているかどうかをいろいろなジャンルの曲を聴いて試している状態です。

 

佐川氏からは、しっかりと正しく装着することで低音から中域、高音までナチュラルで完全にフラットな状態を目指した音作りをしており、どの帯域も持ち上げず、強調せず、最も録音された原音そのままが鳴るような構造にこだわり、どちらか言うとモニタースピーカーに近いサウンド傾向にあると伺っていますので、装着方法や場合によってはイコライザーを少し利用するなどしていろいろと試していきたいと思います。

 

なお、佐川氏によればもちろんさらなる展開を考えておられるということですので、INAIR M360の発展型か、それとも全く違うイヤーデバイスになるか、楽しみに待ちたいと思います。

INAIR インエアー方式 イヤースピーカー ブラック M360BK
 
INAIR インエアー方式 イヤースピーカー シルバー M360SV
 

TONEKING T88K

TONEKINGで検索すると、様々なセラーで販売されているバリエーション豊かなイヤホンがヒットします。

一昨年頃の中華イヤホンの人気作、TK12、TK13、また以前に所有していたSHOCK WAVE Ⅲ、Tomahawkや最近はひょうたん型のユニークな形状のイヤホン、TailやインイヤータイプのTP16やTO600などなど。そのTONEKINGの数多くのイヤホンの中で、カスタムイヤホン風のシェルのイヤホンが数種類発売されています。

AliExpressの様々なセラーで発売されているのは以下の種類ですが、※印のイヤホンはTONEKINGのショップでは販売されていません。このあたりは中華らしいというべきか謎です。

T10K 10BA※

T88K 8BA(Knowles 30265(mids and bass)×2+Knowles 30017(treble)×2)

T66S 6BA(Knowles :30265+30017+31618)

TK6-1 1DD+6BA※

T66K 6BA※

T4 4BA(Knowles dtec-30265+Knowles TWFK-30017)

T3 3BA(Knowles dtec-30265+Knowles ED-29689)

TS5 1DD+4BA

TS1 1DD 

https://toneking.aliexpress.com/store/3216145?spm=2114.12010608.nav-home.1.314d176fPr37FC

今回に注文したT88Kは正式な?TONEKING製では一応最上位機種で、スペックは下記の通りとなります。

Model Number: T88K

Transducer Principle: 8ba

Impedance:  16ohm

Sensitivity: 110dB

Frequency Response: 15Hz-45kHz

購入はAmazonのセラー、L.Sオーディオから。オーダーは11月5日、発送連絡が7日に来て到着が11日です。配送は佐川急便でした。中国からの発送のようです。

 

パッケージは先日に購入したBL1と同じ感じです。
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附属品も必要にして十分な感じです。

ケーブルは柔らかく、取り回しもいい感じです。
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作りもよく、見た目もいい感じ。青と黒を選べたので、渋い黒を選びました。半透明のシェルから薄っすら見えるドライバがカッコいい感じです。
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装着感は非常に良く、耳にパコッと嵌る感じです。遮音性も高く、音漏れもあまりしないようです。

 

箱出し直後は低音の膨らみが気になったのですが、少し鳴らし込むと落ち着きました。

中高音~低音が得意なイヤホンだと思いますが、深いところまでの低音は出ていないかと思います。

 

高域の伸びを期待してケーブルをNull AudioのLune MKⅤに、イヤーピースをRHAに変えてみました。

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中高域から中低域が整理された感じで、相対的に伸びと深さを感じるようになりました。見た目も悪くないので、しばらくはこれで聴いていこうかと思っています。